ウィークリーマーケット
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NYMEX市況推移
- 期近先物市況(3月17日~3月21日)
17日 18日 19日 20日 21日 WTI(㌦/bl) 67.58 66.90 67.16 68.26 68.28 天然ガス(㌦/mmbtu) 4.018 4.052 4.247 3.975 3.980 改質ガソリン (㌣/gl) 218.12 217.16 216.96 219.11 219.54 NY暖房油(㌣/gl) 220.38 215.71 223.19 225.43 224.96
- 17日WTI続伸、期近4月限、終値は前日比0.40㌦上昇の67.58㌦。米小売売上高の発表を受け、リセッション懸念が後退、株価が続伸し、金融市場のセンチメントが改善した。原油市場では、中国の内需喚起策の打ち出し表明を好感、また、米がイエメンフーシ派攻撃について、紅海の商船攻撃が止まるまで徹底し、イランへの攻撃も辞さないことを示唆したことから、中東情勢が緊迫化、地政学リスクプレミアムが上昇した。一方、ロシア・ウクライナ停戦協議の進展、OPECプラスの増産見込みが市況を重くしており、移動平均68.56㌦が上値抵抗線となっている。
- 18日WTI3営業日ぶり反落、期近4月限、終値は前日比0.68㌦下落の66.90㌦。米株価が反落、金融市場全体が弱含んだ。原油市場では、イスラエルがガザ地区を空爆、中東情勢の緊迫化で一時、地政学リスクプレミアムが上昇したが、供給過剰懸念が強く値を沈めた。
- 19日WTI小反発、期近4月限、終値は前日比0.26㌦上昇の67.16㌦。FOMCが政策金利を据え置き、米株価は反発した。原油市場では、イスラエルがガザ地区を空爆、地上作戦も進行し中東情勢が緊迫化した。政学リスクプレミアムが上昇したが、供給過剰懸念が強く値を沈めた。また、トランプ大統領はイエメンフーシ派についてイランに責任があり、同派を抑制するよう迫った。EIA週間統計では、米原油在庫は増加したが予想を下回り、石油製品在庫が減少、オクラホマクッシングの在庫も2週連続で減少した。
- 20日WTI続伸、期近4月限、終値は前日比1.10㌦上昇の68.26㌦。トランプ大統領は、イラン産原油の制裁を強化、イラン原油を輸入した中国企業や「影の船団」も対象となり、今後の制裁強化で最大150万b/dが市場から消失するとの試算も出されている。ガザ地区のイスラエルの戦闘激化など地政学リスクプレミアムも上昇した。金融市場は米株価が反落、米中古住宅販売が予想外の伸び、新規失業保険申請件数はほぼ横ばいとなったが、トランプ政権の経済政策は不透明感が強く、投資家心理の改善につながっていない。
- 21日WTI3営業日続伸、期近はこの日から5月限、終値は前日比0.21㌦上昇の68.28㌦、週間では2週連続の上昇。トランプ政権は、中国の製油所がイラン原油を輸入した疑いでCEOを制裁対象に加えた。ガザ地区のイスラエルの戦闘激化など中東情勢リスクプレミアムが上昇した。たた、景気減速による需要減退懸念,OPECプラスの増産見込みが重しとなっている。
- ベーカーヒューズ社が21日発表した米国リグ稼働数は、593基(石油・ガス計)、前週比1基増、前年同期比31基減。石油リグ486基(前週比1基減、前年同期比23減=95.5%)。ガスリグ102基、前週比2基増、前年同期比10基減。
- CFTCが21日に発表したWTI大口投機買い越し残高は3月18日時点で166,823枚(前週比+2,697枚)、2週連続の増加。買い建玉316,473枚(同+13,605枚)、売り建玉149,650枚(+10,908枚)、買い建玉は5週ぶりの増加、売り建て玉は3週ぶりの増加、ヘッジ玉は、買い建玉が2週連続の減少、売り建玉も2週連続の減少となった。
- 24日WTI4営業日続伸、期近5月限、終値は前日比0.83㌦上昇の69.11㌦、先月28日以来の高値。トランプ政権は、対ベネズエラ制裁として同国の石油・ガス輸入国に対し25%の関税を賦課すると警告、影響は中国、印度、西欧、メキシコ湾岸製油所に及ぶとみられ、短期的な需給タイト化が懸念された。また、シェブロンに対してはベネズエラからの撤退を4月3日まで実施するよう求めた。
- 25日WTI5営業日ぶり小反落、期近5月限、終値は前日比0.11㌦下落の69.00㌦。ウクライナゼレンスキー大統領が部分停戦の即時履行を表明、ロシアも黒海の安全航行とエネンルギー施設への攻撃禁止に同意、ロシア産原油の市場復帰の可能性が高くなったとの見方が出ている。3月の米消費者信頼感指数が4年ぶりの低水準、貿易戦争によるインフレ、景気減速のネガティブセンチメントで、株価は小じっかりも買いの勢いが失速している。
その他の市況
17日 | 18日 | 19日 | 20日 | 21日 | |
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TOCOM(㌦/b) | 71.33 | 71.93 | 70.84 | ー | 73.17 |
ブレント(㌦/b) | 71.07 | 70.56 | 70.78 | 72.00 | 72.16 |
オマーン(㌦/b) | 72.28 | 73.09 | 71.95 | 72.89 | 73.79 |
OPEC:BP(㌦/b) | 73.65 | 74.12 | 73.13 | 74.25 | 74.91 |
ナフサ (㌦/㌧) | 642 | 643 | 635 | ー | 649 |
C重油(㌦/㌧) | 465.71 | 465.01 | 453.67 | 460.02 | 464.28 |
TTS(円/㌦) | 149.84 | 150.53 | 150.69 | ー | 150.06 |
EIA週間統計(3月19日発表)
- 米国需給概況(3月14日現在:単位1,000バレル)
~ 25.2.14 25.2.21 25.2.28 25.3.7 25.3.14 増減 原油生産量 13,497 13,502 13,508 13,575 13,573 -2 原油処理量 15,589 15,880 15,767 15,880 15,949 +69 製油所稼働率% 84.9 86.5 85.9 86.5 86.9 +0.4 原油在庫(ExclLS) 432,493 430,161 433,775 435,223 436,968 +1,745 ガソリン在庫 247,902 248,271 246,838 241,101 240,574 -527 留出油在庫 116,564 120,472 119,154 117,595 114,783 -2,812 プロパン在庫 55,268 51,546 48,654 45,259 43,349 -1,910 クッシング在庫 23,291 24,573 25,697 24,489 23,460 -1,009 原油輸入量 5,820 5,919 5,813 5,470 5,385 -85 ガソリン輸入量 346 462 603 578 657 -79 原油輸出量 4,381 4,181 4,136 3,290 4,644 +1,354 ガソリン輸出量 898 849 816 840 894 +54 留出油輸出量 918 877 1,041 1,036 1,261 +225 プロパン輸出量 1,988 1,406 2,248 1,718 2,194 +476 ガソリン需要量 8,239 8,454 8,877 9,182 8,817 -365 ジェット燃料需要量 1,460 1,531 1,579 1,775 1,845 +70 留出油需要量 4,364 4,097 3,991 3,898 4,010 +112 プロパン需要量 1,322 1,918 1,058 1,609 931 -678 燃料油総需要量 19,653 20,842 20,543 21,600 19,417 -2,183 - 原油生産量、輸入量、輸出量、製品供給量は一日あたり。
- プロパン在庫は非燃料プロピレンを含む。
- 米国石油在庫を対前年同期比でみると、原油98.2%(戦略石油備蓄原油は109.3%)、ガソリン104.2%、留出油96.9%。全米原油在庫は3週連続の増加で在庫水準は5年平均レンジの中央に収まっている。オクラホマ・クッシングの在庫は2週連続の減少となった。米国内原油生産量は2千b/d減の1,357万b/d、最高水準を維持。石油リグ稼働数は1基増の487基、前年の95.5%。輸入減の輸出大幅増、製油所稼働率が上昇したものの低水準、在庫は予想を上回る増加となった。ガソリン在庫は3週連続の減少。輸入減、輸出増、需要は2週ぶりの900万b/d割れ。供給は横ばい、在庫は5年平均レンジの最上位に積み上がっている。留出油在庫は3週連続の減少。輸出が増加堅調、需要も400万b/dを回復、供給は横ばい、在庫水準は5年平均レンジ最下方。プロパン在庫は、22週連続の減少。輸出が増加し高水準、需要は減少したが、供給が絞られている。在庫は前年同期比83.0%まで減少、3週連続で前年比割れとなり5年平均レンジの中央下方に下がってきた。ガソリンの需要(供給量)は前週比365千バレル減の日量882万バレル、直近4週間の供給量は883万バレル/日で前年同期比わずかな減少、3週ぶりの前年割れ。留出油は400万バレル/日で前年比8.3%の増加。ジェット燃料は同5.2%の増加。燃料油総需要量は4週ぶりの2,000万b/d割れ。石油(原油・製品)のネット輸出入は、4,539千b/dの輸出、79週連続の輸出。
- 3月14日のモンベルビュープロパンスポット価格:444.9㌦/㌧(前週比-1.1㌦、
前年同期比+39.9㌦)
LPガスマーケット
- CP先物指標(1月3日~1月6日)
CP先物 2月限 3月限 4月限 P 580 545 525 B 590 560 540 - 先週(1月3日~1月6日)のLPガス市場は、年明け原油市況が軟化するなか、暖冬により引き合いは弱いものの、インド、東南アジアの堅調な需要と極東の寒波襲来に備えた買いが下支えた。
CP先物2月限は堅調な需要に支えられ上昇、前週比プロパン15㌦、ブタン5㌦高、3月限はプロパン横這い㌦、ブタン5㌦の反落、4月限はプロパン横這い、ブタンも横這い強含み。
極東CFR市況は週初めに上昇したが、原油市況下落で週末には軟化。インド、東南アジア向けの需要が堅調、2月着玉には日本、中国から引き合いがあり、相場を下支え。1月極東着プロパンは前週比5㌦下げの620~605㌦、ブタンは同5㌦下げの640~625㌦どころ。
NWE(北西ヨーロッパ)CIFは、原油市況の軟化と温暖な気候で暖房需要が盛り上がらず。前週比プロパン25㌦下げの520㌦、ブタンは30㌦下げの540㌦どころ。
米国市場をみると、輸出、需要ともに堅調。プロパン在庫は4週連続の減少も在庫水準は前年同期比126%、5年平均のレンジの上方。米モントベルビュースポット価格(FOB)は、前週比プロパン5㌦下げの385㌦、ブタンは同20㌦下げの455㌦どころ。 - フレート市況は、滞船の緩和で船舶需給は供給過剰感で軟化、週初の92㌦台から77㌦台後半まで下げている。
- ナフサは原油市況に連動軟調、655~635㌦で推移。
- バンカーオイルは、原油市況に追随軟化、IFO380は408~377㌦、LSMGOは920~856㌦で推移。
- 1月LPガスFOB公示価格
1月FOB サウジCP ANSI ソナトラック P 590 516 560 B 605 534 580 - 単位:㌦/㌧