ウィークリーマーケット
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NYMEX市況推移
- 期近先物市況(7月7日~7月11日)
7日 8日 9日 10日 11日 WTI(㌦/bl) 67.93 68.33 68.38 66.57 68.45 天然ガス(㌦/mmbtu) 3.412 3.340 3.214 3.337 3.314 改質ガソリン (㌣/gl) 215.22 218.50 218.79 215.24 218.70 NY暖房油(㌣/gl) 242.11 244.13 240.92 238.35 244.74
- 5日OPECプラスはオンラインで会合を開催、8月生産量について、58.4万b/dの供給拡大で合意した。予想(41.1万b/d)を上回る増産で、4~8月合計の供給増は191.9万b/dとなり、自主減産合計220万b/dの87%を回復、9月には当初計画の1年前倒しで自主減産の解消が見込まれている。OPECプラスは、夏場の需要拡大と世界的な低水準在庫に対応したものとしているが、市場では、トランプ関税による世界経済への影響が不透明ななか、供給過剰を懸念、週明けの市況が注目される。
- 7日WTIは反発、期近8月限、終値は前日比0.93㌦上昇の67.93㌦。サウジアラビアがアジア向け8月原油価格の調整金を引き上げたことを受けたもの。OPECプラスは8月生産量を58.4万b/d増産、9月には55万b/dの追加増産により、自主減産を解消するとみられているが、サウジは、供給拡大について、夏場の需要増と低水準在庫により市場が吸収できると想定、8月アラビアンライト調整金は7月比1㌦引き上げ2.2㌦となる。
- 8日WTIは続伸、期近8月限、終値は前日比0.40㌦上昇の68.33㌦。イエメンの親イラン武装組織フーシ派が商船を攻撃、中東情勢が緊迫化した。一方、先物市場では200日移動平均(68.51㌦どころ)を一時突破、テクニカルな買いも見られた。トランプ関税の先行き不透明、株価は小幅安となった。
- 9日WTIは3営業日小幅続伸、期近8月限、終値は前日比0.05㌦上昇の68.38㌦。米国はイラン原油輸出を支援した22事業者を制裁対象に追加した。EIAが発表した週間統計で、米原油在庫は2週連続の大幅増加となった。製油所稼働率はやや低下も高水準、輸入は減少したものの輸出が2週連続で300万b/dを大きく割り込む低水準となった。ガソリン需要は増加、留出油在庫は前年同期の82.5%まで減少、5年平均レンジを大きく下回り低水準が顕著。
- 10日WTIは4営業日ぶり大幅反落、期近8月限、終値は前日比1.81㌦下落の66.57㌦。OPECプラスが供給拡大を10月に休止す可能性が報じられ、市場では需要減退の兆しと捉えられた。トランプ関税で貿易戦争が悪化するとの見方から経済減速の懸念も燻ぶっている。
- 11日WTIは大幅反発、期近8月限、終値は前日比1.88㌦上昇の68.45㌦。トランプ政権は、ロシアのエネンルギー輸出抑制に向け追加制裁法案を検討、中国、インドを念頭にロシア産エネルギーを購入した場合は500%の関税を課すといった内容で、ロシアの原油供給への懸念が意識された。
- ベーカーヒューズ社が11日発表した米国リグ稼働数は、537基(石油・ガス計)、前週比2基減、前年同期比47基減。石油リグ424基(前週比1基減、前年同期比54基減=88.7%)11週連続の減少。ガスリグ108基、前週比横ばい、前年同期比8基増、減少は4週連続でストップ。
- CFTCが11日に発表したWTI大口投機買い越し残高は7月8日時点で209,374枚(前週比-25,319枚)、6週ぶりの減少。買い建玉333,138枚(同-22,103枚)、売り建玉123,764枚(+3,216枚)、買い建玉は2週連続の減少、売り建て玉は2週ぶりの増加。ヘッジ玉は、買い建玉が2週連続の増加、売り建玉は2週ぶりの減少。総取組高は1,991千枚、2千枚の増加。
- 14日WTIは大幅反落、期近8月限、終値は前日比1.47㌦下落の66.98㌦。トランプ大統領は、対ウクライナ停戦を受け入れなければロシアのエネルギー輸出関係諸国に100%の2次的関税すると表明、市場はロシアへの直接制裁がないこと、EU、メキシコに対する30%関税など貿易戦争によりエネルギー需要見通しが悪化、OPECプラスの供給増により、需給は供給超過に陥ることを警戒した。
- 15日WTIは続落、期近8月限、終値は前日比0.46㌦下落の66.52㌦。米消費者物価指数は予想を下回る伸びもトランプ関税影響の兆しもあり、株価は反落、ドルは上昇し、ドル建て商品の妙味が薄れた。先物市場はWTI期近8月限の納会を控え、ポジション調整、プロンプトスプレッド(期近2限月の値差)の逆ザヤが縮小してきた。OPECは2025年第3、第4四半期の需要に強気の見通しで、OPECプラスの供給引き上げの要因の一つとしている。
- 16日WTIは3営業日小幅続落、期近8月限、終値は前日比0.14㌦下落の66.52㌦。米6月生産者物価指数(PPI)は予想を下回る伸びで利下げ観測から株価は反発。EIA週間統計で原油在庫は3週ぶりに減少したが、クッシング在庫は2週連続の増加、石油製品需要が減少し、製品在庫が増加したことが嫌気された。
- 17日WTIは4営業日ぶり反発、期近8月限、終値は前日比1.16㌦上昇の67.54㌦。米小売売上高が予想を上回り、失業保険申請件数が減少、米経済の堅調さを受け株価が続伸するなか、原油市場は、需給タイト化の懸念から反騰した。米原油在庫が減少、留出油在庫は超低水準が続いている一方、イラクのクルド人自治区の油田がドローン攻撃を受け、20万b/dの供給が停止した。米国の原油生産も伸び悩み、シェブロンの最大油田もピークを迎えつつあるとの報告もなされた。
その他の市況
7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 | |
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TOCOM(㌦/b) | 67.02 | 69.58 | 68.77 | 69.15 | ー |
ブレント(㌦/b) | 69.58 | 70.15 | 70.19 | 68.64 | 70.36 |
オマーン(㌦/b) | 69.71 | 70.89 | 72.17 | 71.88 | 70.36 |
OPEC:BP(㌦/b) | 69.92 | 70.87 | 71.89 | 71.23 | 70.77 |
ナフサ (㌦/㌧) | 574 | 583 | 593 | 596 | 585 |
C重油(㌦/㌧) | 413.75 | 422.5 | 432.53 | 429.44 | 415.98 |
TTS(円/㌦) | 145.41 | 147.09 | 147.89 | 146.89 | 147.66 |
EIA週間統計(7月9日発表)
- 米国需給概況(7月4日現在:単位1,000バレル)
~ 25.6.6 25.6.13 25.6.20 25.6.27 25.7.4 増減 原油生産量 13,428 13,431 13,435 13,433 13,385 -48 原油処理量 17,364 17,147 17,199 17,235 17,199 -36 製油所稼働率% 94.3 93.2 94.7 94.9 94.7 -0.2 原油在庫(ExcLS) 432,415 420,942 415,106 418,951 426,021 +7,070 ガソリン在庫 229,804 230,013 227,938 232,126 229,468 -2,658 留出油在庫 108,884 109,398 105,332 103,622 102,797 -825 プロパン在庫 65,986 67,523 72,615 75,651 78,385 +2,734 クッシング在庫 23,683 22,688 22,224 20,731 21,195 +464 原油輸入量 6,176 5,504 5,944 6,919 6,013 -906 ガソリン輸入量 914 960 1,007 906 832 -74 原油輸出量 3,286 4,361 4,270 2,305 2,757 +452 ガソリン輸出量 857 801 763 783 1,043 +260 留出油輸出量 1,447 1,308 1,649 1,353 1,585 +232 プロパン輸出量 1,831 1,911 1,822 1,868 1,480 -408 ガソリン需要量 9,170 9,290 9,688 8,640 9,159 +519 ジェット燃料需要量 1,829 1,814 1,706 1,734 1,925 +191 留出油需要量 3,376 3,746 3,794 4,043 3,668 -375 プロパン需要量 580 825 305 568 1,030 +462 燃料油総需要量 19,762 20,391 20,513 20,487 20,863 +462 - 原油生産量、輸入量、輸出量、製品供給量は一日あたり。
- プロパン在庫は非燃料プロピレンを含む。
- 米国石油在庫を対前年同期比でみると、原油95.7%(戦略石油備蓄原油は108.0%)、ガソリン99.9%、留出油82.5%。全米原油在庫は2週連続の大幅増加となったが、在庫水準は5年平均レンジを下抜けている。オクラホマ・クッシングの在庫は5週ぶりの増加となった。米国内原油生産量は48千b/d減の1,336万b/d、石油リグ稼働数は7基減の425基、前年の88.7%。原油処理量は減少も製油所稼働率は高水準、輸入が減少したが、輸出は低水準2週連続で300万b/d割れ。ガソリン在庫は2週ぶりの減少。輸入減、輸出増のうえ需要が回復、2週ぶりの900万b/d超えとなった。在庫水準は5年平均レンジの中央。留出油在庫は3週連続の減少。輸出が増加堅調、需要は減少、400万b/d割れ。供給が減少し絞られたままで、在庫水準は5年平均レンジを下抜ける低水準。プロパン在庫は、12週連続の増加。輸出が減少、需要は増加したが、供給が高水準。在庫水準は前年同期比100.5%と19週ぶりに前年比超え、5年平均レンジでは中央最上位。ガソリンの需要(供給量)は前週比519千バレル増の日量916万バレル、直近4週間の供給量は920万バレル/日で前年同期比1.0%の減少、2週連続の前年割れ。留出油は381万バレル/日で前年比3.8%の増加。ジェット燃料は同1.7%の増加。燃料油総需要量は、4週連続の2,000万b/d超え。石油(原油・製品)のネット輸出入は、2,132千b/dの輸出、95週連続の輸出。
- 7月4日のモンベルビュープロパンスポット価格:372.0㌦/㌧(前週比-2.1㌦、
前年同期比-67.2㌦)