ウィークリーマーケット
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NYMEX市況推移
- 期近先物市況(11月20日~11月24日)
20日 21日 22日 23日 24日 WTI(㌦/bl) 77.60 77.77 77.10 ー 75.54 天然ガス(㌦/mmbtu) 2.882 2.846 2.897 ー 2.855 改質ガソリン (㌣/gl) 222.60 223.38 223.24 ー 216.51 NY暖房油(㌣/gl) 284.95 292.49 288.91 ー 283.57
- 20日WTIは大幅続伸、期近12月限、終値は前日比1.71㌦上昇の77.60㌦。26日に開催されるOPECプラス会合で、協調減産の拡大が検討される可能性を警戒した。マーケットでは、協調減産の延長を織り込み、減産幅の拡大について予想する向きもある。先物市場をみると、WTI期近3限月のコンタンゴ(期先高)が続き、需給緩和感を示しており、OPECプラスによる価格下支えのための介入は必至とみている。一方、米株価は続伸、20年債が好調、利回り低下でドル安が進行、ドル建て原油は割安感から買われやすくなっていた。なお、WTI12月限は納会を迎え、ボラティリティが高く、一時78.22㌦まで上昇したが、利食い売りで戻される場面も。ロシアがガソリン輸出禁止を解除したことも売り材料となった。
- 21日WTIは3営業日ぶり小反落、期近はこの日から1月限、終値は前日比0.06㌦下落の77.77㌦。26日に開催されるOPECプラス会合で、追加減産が検討されるもようで、市場はこれを見極めたいと、様子見、狭いレンジでの値動きとなった。ハマスの人質解放への合意が近いとの報道は売り材料、世界経済減速に伴う需要減退懸念が重しとなっている。週末の感謝祭の祝日を控え、薄商いが見込まれるなか、WTI期近2限月はコンタンゴ(期先高)、需給緩和感を示しており、OPECプラスはどう評価するか、明日発表のEIAの週間統計も注目される。
- 22日WTIは続落、期近は1月限、終値は前日比0.67㌦下落の77.10㌦。26日に開催される予定のOPECプラス会合が30日に延期され、追加減産観測が後退、EIA週間統計で米原油在庫が大幅に増加したことが嫌気され、一時73.79㌦まで下げた。米ミシガン大のインフレ期待が上昇、米失業保険申請件数が大幅減少し、ドルが続伸したこともドル建て原油市況に逆風となった。
- 23日、NYMEXはサンクスギビングデイのため休場
- 24日WTIは3営業日続落、期近1月限は、前日比1.56㌦下落の75.54㌦、週間では、5週連続の下げとなった。OPECプラスの会合延期の原因となった生産枠を巡る問題は、アンゴラ、ナイジェリアの2024年生産目標の微調整により解決されるもよう。ロシアのエネルギー収入が順調で政策の大幅変更には消極的と伝えられている。ハマスによる人質解放と一時戦闘休止により戦争リスクプレミアムが縮小した。
- ベーカーヒューズ社が24日発表した米リグ稼働数は、22日時点で622基(石油・ガス計)、前週比4基増、前年同期比162基減。石油リグ500基(前週比横ばい、前年同期比127基減=79.7%)、前年同期稼働数では28週連続で前年を割り込んだ。ガスリグ117基、前週比3基増、前年同期比38基減、29週連続で前年を下回った。
- CFTCが27日に発表したWTI大口投機買い越し残高は11月21時点で207,324(前週比-8,410枚)、8週連続の減少となった。ピーク(2018年2月上旬739千枚)の28%の水準。買い建玉350,785枚(同-13,594枚)、売り建玉143,461枚(-5,184枚)、買い建玉は4週連続の減少、売り建玉5週ぶりの減少。総取組高は1,549千枚、前週比90千枚の減少、ヘッジ玉は買い建玉が2週連続、売り建玉は3週連続の減少となった。
- 27日WTIは4営業日続落、期近1月限は、前日比0.68㌦下落の74.86㌦、16日以来の75㌦割れ、ブレント原油も80㌦割れとなった。開催延期となったOPECプラス会合では、追加減産、協調減産の期間延長、生産枠の見直しなどが検討されるとみられ、価格下支えの対策が打ち出されるもよう。ただ、米国等からの供給増の兆しが重しとなっている。WTI先物市場では、期近3限月がコンタンゴで需給緩和のサインを示している。
- 28日WTIは5営業日ぶり反騰、期近1月限は、前日比1.55㌦上昇の76.41㌦。OPECプラスは、開催延期の原因となった生産枠の見直しについて協議が難航、追加減産を見送り、協調減産の期間延長に止まる可能性もでてきたが、結果待ちの状態。米金融当局者が利上げサイクル完了の可能性を示唆し、国債が上昇、利回り低下でドル安が進行、ドル建て原油に割安感。暴風雨でカザフスタンの生産に影響が出るとの懸念が買い材料になっている。
- 29日WTIは大幅続伸、期近1月限は、前日比1.45㌦上昇の77.86㌦。30日開催予定のOPECプラス会合で追加減産決定への期待から値を上げた。ただ、2024年一部アフリカ諸国の生産枠を巡って協議が難航、行方が注目されている。黒海の暴風雨により、ロシア、カザフスタンの原油輸出は最大200万b/dの減少になると見積もられている。一方、米原油在庫は6週連続の増加、製油所稼働率は上昇したものの、需要低迷で製品在庫も増加している。
- 30日WTIは3営業日ぶり大幅反落、期近1月限は、前日比1.90㌦下落の75.96㌦、月間では2ヶ月連続の下げ。OPECプラス会合で90万b/dの追加減産が決定され、一時79.60㌦まで上昇したが、自主減産220万b/dの中身は、サウジが100万b/d減産の1~3月延長、ロシアが30万b/dの輸出削減延長に5~6月20万b/dの追加削減、残り70万b/dの減産は、UAE(16.3万b/d)、イラク(22万b/d)、アルジェリア(5万b/d)など6ヵ国が自主的に実施するというもので、市場では実効性に懐疑的で失望感が拡がった。開催延長の原因となったアンゴラの2024年生産枠は約20万b/d減少の110万b/dで調整されたが、同国は現行生産量を維持するもよう。サプライズはブラジルの加盟だが、同国は協調減産の枠組みには参加しない。
- 1日WTIは大幅続落、期近1月限は、前日比1.89㌦下落の74.07㌦、16日以来の75㌦割れ、週間では6週連続の下げとなった。OPECプラスの90万b/dの追加減産合意も、自主的減産に止まり、アンゴラが生産枠を拒否するなど実効性に疑問符が付けられた。米国等の生産量が増加、供給増の圧力もあり、市場の懸念を払拭できなかった。
- ベーカーヒューズ社が1日発表した米リグ稼働数は、1日時点で625基(石油・ガス計)、前週比3基増、前年同期比159基減。石油リグ505基(前週比5基増、前年同期比122基減=80.5%)、前年同期稼働数では29週連続で前年を割り込んだ。ガスリグ116基、前週比1基減、前年同期比39減、30週連続で前年を下回った。
- CFTCが1日に発表したWTI大口投機買い越し残高は11月28時点で183,171(前週比-24,153枚)、9週連続の減少で、7月中旬以来の低水準、ピーク(2018年2月上旬739千枚)の25%の水準。買い建玉352,382枚(同-1,597枚)、売り建玉169,211枚(+25,750枚)、買い建玉は5週連続の減少、売り建玉2週ぶり増加。総取組高は1,564千枚、前週比15千枚の増加、ヘッジ玉は買い建玉が3週連続、売り建玉は4週連続の減少となった。
その他の市況
20日 | 21日 | 22日 | 23日 | 24日 | |
---|---|---|---|---|---|
TOCOM(㌦/b) | 81.47 | 82.10 | 82.67 | ー | 81.81 |
ブレント(㌦/b) | 82.32 | 82.45 | 84.10 | 81.42 | 80.58 |
オマーン(㌦/b) | 82.67 | 83.43 | 84.10 | 82.67 | 82.79 |
OPEC:BP(㌦/b) | 84.44 | 84.75 | 84.46 | 83.78 | 84.16 |
ナフサ (㌦/㌧) | 647 | 649 | 654 | ー | 657 |
C重油(㌦/㌧) | 467.59 | 464.64 | 471.94 | 462.0 | 462.58 |
TTS(円/㌦) | 150.95 | 149.18 | 149.35 | ー | 150.63 |
EIA週間統計(11月29日発表)
- 米国需給概況(11月24日現在:単位1,000バレル)
~ 23.10.27 23.11.3 23.11.10 23.11.17 23.11.27 増減 原油生産量 13,200 13,200 13,200 13,200 13,200 ±0 原油処理量 15,607 15,562 15,740 15,901 16,146 +516 製油所稼働率% 85.4 85.2 86.1 87.0 89.8 +2.8 原油在庫(ExclLS) 421,893 435,762 439,354 448,054 449,654 +1,610 ガソリン在庫 223,522 217,210 215,670 216,420 218,184 +1,764 留出油在庫 111,295 108,001 106,579 105,561 110,778 +5,217 プロパン在庫 101,199 98,448 99,742 99,272 98,738 -534 クッシング在庫 21,498 23,085 25,010 25,868 27,722 +1,854 原油輸入量 6,425 6,394 6,373 6,529 5,833 -696 ガソリン輸入量 557 704 514 593 463 -130 原油輸出量 4,897 4,525 4,889 4,786 4,755 -31 ガソリン輸出量 835 982 933 896 1,175 +279 留出油輸出量 1,082 1,088 1,000 1,048 1,334 +286 プロパン輸出量 1,893 1,753 1,659 1,787 1,594 -193 ガソリン需要量 8,697 9,492 8,949 8,480 8,206 -274 留出油需要量 3,682 4,298 4,109 4,110 3,014 -1,096 プロパン需要量 937 1,291 854 982 1,215 +233 燃料油総需要量 19,869 21,722 20,080 20,042 18,917 -1,125 - 原油生産量、輸入量、輸出量、製品供給量は一日あたり。
- プロパン在庫は非燃料プロピレンを含む。
- 米国石油在庫を対前年同期比でみると、原油107.3%(戦略石油備蓄原油は90.4%:1984年以来低水準)、ガソリン102.1%、留出油98.4%。全米原油在庫は6週連続の増加となり、5年平均レンジの中央。オクラホマ・クッシングの在庫も6週連続の増加となった。米国内原油生産量は横ばいの1,320万b/d、8週連続で過去最高水準を維持した。石油リグ稼働数は前週比横ばいの500基、減少に歯止めがかかったが、28週連続で前年を下回った。製油所稼働率は定修明けで上昇、原油輸入量は減少、輸出は微減となったが、在庫は想定を上回る増加となった。ガソリン在庫は2週連続の増加。輸入減・輸出増も需要が減少した。3週連続の900万b/d割れで、在庫水準は5年平均レンジ下方。留出油在庫は9週ぶりの増加。輸出が増加したものの、需要は急減、製油所稼働率上昇で供給増。なお、在庫水準は5年平均レンジを下抜けている。プロパン在庫は、2週連続の減少。輸出が堅調、需要が増加した。在庫水準は前年同期比108.9%、66週連続で前年を上回り、5年平均を上抜けている。ガソリンの需要(供給量)は前週比274千バレル減の日量821万バレル、直近4週間の供給量は878万バレル/日で前年同期比2.1%の増加、5週連続の前年超え。留出油は388万バレル/日で前年比わずかに増加。ジェット燃料は同5.5%の増加。燃料油総需要量は4週ぶりの2,000万b/d割れ。石油(原油・製品)のネット輸出入は、4,449千b/dの輸出、11週連続の輸出。
- 11月24日のモンベルビュープロパンスポット価格:327.2㌦/㌧(前週比-6.2㌦、
前年同期比-95.3㌦)
LPガスマーケット
- CP先物指標(1月3日~1月6日)
CP先物 2月限 3月限 4月限 P 580 545 525 B 590 560 540 - 先週(1月3日~1月6日)のLPガス市場は、年明け原油市況が軟化するなか、暖冬により引き合いは弱いものの、インド、東南アジアの堅調な需要と極東の寒波襲来に備えた買いが下支えた。
CP先物2月限は堅調な需要に支えられ上昇、前週比プロパン15㌦、ブタン5㌦高、3月限はプロパン横這い㌦、ブタン5㌦の反落、4月限はプロパン横這い、ブタンも横這い強含み。
極東CFR市況は週初めに上昇したが、原油市況下落で週末には軟化。インド、東南アジア向けの需要が堅調、2月着玉には日本、中国から引き合いがあり、相場を下支え。1月極東着プロパンは前週比5㌦下げの620~605㌦、ブタンは同5㌦下げの640~625㌦どころ。
NWE(北西ヨーロッパ)CIFは、原油市況の軟化と温暖な気候で暖房需要が盛り上がらず。前週比プロパン25㌦下げの520㌦、ブタンは30㌦下げの540㌦どころ。
米国市場をみると、輸出、需要ともに堅調。プロパン在庫は4週連続の減少も在庫水準は前年同期比126%、5年平均のレンジの上方。米モントベルビュースポット価格(FOB)は、前週比プロパン5㌦下げの385㌦、ブタンは同20㌦下げの455㌦どころ。 - フレート市況は、滞船の緩和で船舶需給は供給過剰感で軟化、週初の92㌦台から77㌦台後半まで下げている。
- ナフサは原油市況に連動軟調、655~635㌦で推移。
- バンカーオイルは、原油市況に追随軟化、IFO380は408~377㌦、LSMGOは920~856㌦で推移。
- 1月LPガスFOB公示価格
1月FOB サウジCP ANSI ソナトラック P 590 516 560 B 605 534 580 - 単位:㌦/㌧