ウィークリーマーケット
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NYMEX市況推移
- 期近先物市況(6月30日~7月4日)
30日 1日 2日 3日 4日 WTI(㌦/bl) 65.11 65.45 67.45 67.00 ー 天然ガス(㌦/mmbtu) 3.456 3.415 3.488 3.409 ー 改質ガソリン (㌣/gl) 207.98 210.03 212.29 211.86 ー NY暖房油(㌣/gl) 234.58 232.69 241.17 236.98 ー
- 30日WTIは4営業日ぶり反落、期近8月限、終値は前日比0.41㌦下落の65.11㌦、月間では4.32㌦の上昇。中東情勢はイラン・イスラエルの停戦合意で緊張が緩和、原油供給の混乱懸念が後退した。OPECプラスは6日に会合開催の予定で、8月の生産量について、41.1万b/dの引き上げが見込まれている。4ヶ月連続で当初の増産計画の3倍にあたる供給拡大となる。
- 1日WTIは反発、期近8月限、終値は前日比0.34㌦上昇の65.45㌦。中東情勢は、イランがIAEAによるウラン濃縮備蓄の査察を拒否したことで、イスラエルとの停戦合意の遵守へに暗雲。米国はイランのウラン濃縮を認めておらず、今後の対応が注目されている。米ISM6月製造業総合景況指数は4ヶ月連続で50割れ、5月の求人件数は予想外の増加で労働市場は底堅く、経済指標は硬軟まちまち、利下げ観測はやや後退し株価は反落した。
- 2日WTIは大幅続騰、期近8月限、終値は前日比2.00㌦上昇の67.45㌦。ベトナムとの貿易協議が合意され、関税を巡り交渉期限を前に市場は好意的。原油市場は、独立記念日の連休を控え薄商いで上げ幅が拡大、ボラティリティは低下。EIA週間統計で原油在庫は予想を上回る増加となり、OPECプラスの増産が見込まれる一方、ペルシャ湾のイラン軍機雷積み込み報道で、ホルムズ海峡封鎖懸念が再燃した。
- 3日WTIは3営業日ぶり反落、期近8月限、終値は前日比0.45㌦下落の67.00㌦。独立記念日の連休を控え薄商いとなるなか、米国がイランと核協議再開を計画、イランはIAEAと対話継続の姿勢を示した。一方、前日発表のEIA統計で米原油在庫が予想外の増加、ガソリン需要が減少したことが嫌気された。6日開催予定のOPEC会合では41.1万b/dの供給量引き上げの可能性が高く、今後の需給緩和への懸念も意識された。
- 4日NYMEXは休場(独立記念日)、ブレント原油は続落、アジア市場はほぼ変わらず。
- ベーカーヒューズ社が3日発表した米国リグ稼働数は、539基(石油・ガス計)、前週比8基減、前年同期比46基減。石油リグ425基(前週比7基減、前年同期比54基減=88.7%)10週連続の減少。ガスリグ108基、前週比1基減、前年同期比7基増、4週連続の減少。
- CFTCが7日に発表したWTI大口投機買い越し残高は7月1日時点で234,693枚(前週比+1,724枚)、5週連続の増加。買い建玉355,241枚(同-2,413枚)、売り建玉120,548枚(-4,137枚)、買い建玉は5週ぶりの減少、売り建て玉は2週ぶりの減少。ヘッジ玉は、買い建玉、売り建玉ともに2週ぶりの増加となった。総取組高は1,989千枚、27千枚の増加。
- 5日OPECプラスはオンラインで会合を開催、8月生産量について、58.4万b/dの供給拡大で合意した。予想(41.1万b/d)を上回る増産で、4~8月合計の供給増は191.9万b/dとなり、自主減産合計220万b/dの87%を回復、9月には当初計画の1年前倒しで自主減産の解消が見込まれている。OPECプラスは、夏場の需要拡大と世界的な低水準在庫に対応したものとしているが、市場では、トランプ関税による世界経済への影響が不透明ななか、供給過剰を懸念、週明けの市況が注目される。
- 7日WTIは反発、期近8月限、終値は前日比0.93㌦上昇の67.93㌦。サウジアラビアがアジア向け8月原油価格の調整金を引き上げたことを受けたもの。OPECプラスは8月生産量を58.4万b/d増産、9月には55万b/dの追加増産により、自主減産を解消するとみられているが、サウジは、供給拡大について、夏場の需要増と低水準在庫により市場が吸収できると想定、8月アラビアンライト調整金は7月比1㌦引き上げ2.2㌦となる。
- 8日WTIは続伸、期近8月限、終値は前日比0.40㌦上昇の68.33㌦。イエメンの親イラン武装組織フーシ派が商船を攻撃、中東情勢が緊迫化した。一方、先物市場では200日移動平均(68.51㌦どころ)を一時突破、テクニカルな買いも見られた。トランプ関税の先行き不透明、株価は小幅安となった。
- 9日WTIは3営業日小幅続伸、期近8月限、終値は前日比0.05㌦上昇の68.38㌦。米国はイラン原油輸出を支援した22事業者を制裁対象に追加した。EIAが発表した週間統計で、米原油在庫は2週連続の大幅増加となった。製油所稼働率はやや低下も高水準、輸入は減少したものの輸出が2週連続で300万b/dを大きく割り込む低水準となった。ガソリン需要は増加、留出油在庫は前年同期の82.5%まで減少、5年平均レンジを大きく下回り低水準が顕著。
- 10日WTIは4営業日ぶり大幅反落、期近8月限、終値は前日比1.81㌦下落の66.57㌦。OPECプラスが供給拡大を10月に休止す可能性が報じられ、市場では需要減退の兆しと捉えられた。トランプ関税で貿易戦争が悪化するとの見方から経済減速の懸念も燻ぶっている。
その他の市況
30日 | 1日 | 2日 | 3日 | 4日 | |
---|---|---|---|---|---|
TOCOM(㌦/b) | 77.18 | 65.80 | 66.24 | 67.21 | 67.14 |
ブレント(㌦/b) | 67.61 | 67.11 | 69.11 | 68.80 | 68.30 |
オマーン(㌦/b) | 68.61 | 68.22 | 68.70 | 69.78 | 69.77 |
OPEC:BP(㌦/b) | 68.35 | 68.06 | 68.76 | 69.79 | 69.85 |
ナフサ (㌦/㌧) | 559 | 563 | 575 | 586 | 580 |
C重油(㌦/㌧) | 422.77 | 412.74 | 414.37 | 413.84 | 413.94 |
TTS(円/㌦) | 145.81 | 144.69 | 144.70 | 144.64 | 145.63 |
EIA週間統計(7月2日発表)
- 米国需給概況(6月27日現在:単位1,000バレル)
~ 25.5.30 25.6.6 25.6.13 25.6.20 25.6.27 増減 原油生産量 13,408 13,428 13,431 13,435 13,433 -2 原油処理量 17,192 17,364 17,147 17,199 17,235 +36 製油所稼働率% 93.4 94.3 93.2 94.7 94.9 +0.2 原油在庫(ExcLS) 436,059 432,415 420,942 415,106 418,951 +3,845 ガソリン在庫 228,300 229,804 230,013 227,938 232,126 +4,188 留出油在庫 107,638 108,884 109,398 105,332 103,622 -1,710 プロパン在庫 61,943 65,986 67,523 72,615 75,651 +3,036 クッシング在庫 24,086 23,683 22,688 22,224 20,731 -1,493 原油輸入量 6,346 6,176 5,504 5,944 6,919 +975 ガソリン輸入量 845 914 960 1,007 906 -101 原油輸出量 3,907 3,286 4,361 4,270 2,305 -1,965 ガソリン輸出量 938 857 801 763 783 +20 留出油輸出量 1,405 1,447 1,308 1,649 1,353 -296 プロパン輸出量 1,231 1,831 1,911 1,822 1,868 +46 ガソリン需要量 8,263 9,170 9,290 9,688 8,640 -1,044 ジェット燃料需要量 1,760 1,829 1,814 1,706 1,734 +28 留出油需要量 3,151 3,376 3,746 3,794 4,043 +249 プロパン需要量 788 580 825 305 568 +263 燃料油総需要量 19,528 19,762 20,391 20,513 20,487 -26 - 原油生産量、輸入量、輸出量、製品供給量は一日あたり。
- プロパン在庫は非燃料プロピレンを含む。
- 米国石油在庫を対前年同期比でみると、原油93.4%(戦略石油備蓄原油は108.1%)、ガソリン100.2%、留出油86.5%。全米原油在庫は6週ぶりの大幅増加となったが、在庫水準は5年平均レンジを下抜けている。オクラホマ・クッシングの在庫は4週連続の大幅減少となった。米国内原油生産量は2千b/d減の1,343万b/d、石油リグ稼働数は6基減の432基、前年の90.2%。原油処理量は増加し製油所稼働率の高水準が続いているが、輸入が増加、輸出が急減した。ガソリン在庫は2週ぶりの大幅増加。輸入減、輸出増も需要が急減、4週ぶりの900万b/d割れとなった。在庫水準は5年平均レンジの中央下方。留出油在庫は2週連続の減少。輸出が減少も堅調、需要が増加、400万b/d超え。供給は絞られたままで、在庫水準は5年平均レンジを下抜ける低水準。プロパン在庫は、11週連続の増加。輸出堅調、需要も増加したが、供給が増加高水準。在庫水準は前年同期比99.8%まで回復(18週連続で前年比割)、5年平均レンジでは中央上位。ガソリンの需要(供給量)は前週比1,044千バレル減の日量864万バレル、直近4週間の供給量は920万バレル/日で前年同期比0.1%の減少、2週ぶりの前年割れ。留出油は374万バレル/日で前年比0.6%の増加。ジェット燃料は同2.4%の増加。燃料油総需要量は、3週連続の2,000万b/d超え。石油(原油・製品)のネット輸出入は、403千b/dの輸出、94週連続の輸出。
- 6月27日のモンベルビュープロパンスポット価格:374.1㌦/㌧(前週比-43.2㌦、
前年同期比-60.9㌦)